カプレカ数にあるもう1つの定義
念のため別の数字として、2019年の「2019」で確かめてみることにしよう。「9210-0129=9081」→「9810-0189=9621」→「9621-1269=8352」→「8532-2358=6174」。確かにカプレカ数になった。
なお、4ケタの数字がゾロ目(2222、5555、8888など)の場合は「6174」ではなく、すべて「0」になる。なぜなら、(1)と(2)が同じ数字になるからだ。たとえば、「2222」の場合、(1)も(2)もともに「2222」であり、(3)を計算した段階で「2222-2222=0」となってしまう。
さて、「6174」とは別に、カプレカ数にはもう1つの定義があるのだ。
それは、(1)任意の正の整数を2乗し、(2)その数字が偶数ケタのときは前nケタと後ろnケタに分け、それらを足すと元の任意の数字になる。また、奇数ケタの場合は前nケタと後ろ(n+1)ケタに分け、なんとそれらを足すと元の任意の数字になる――というものである。
この定義にあてはまる任意の数字は決まっており、「9」「45」「55」「99」「297」「703」「2223」などがそれだ。「45」の場合、「45の2乗=2025」で、「20+25=45」となる。「297」は「297の2乗=88209」で、「88+209=297」と確かにカプレカ数になっている。
このような不思議な性質を持つカプレカ数だが、何に役立つのかと問われると困る(笑)。飲み会でのネタにはいいと思う。もしお子さんが算数が苦手なら、数字に興味を持たせるのにオススメだ。単純におもしろいし、4ケタの引き算はふつう小学3年で習うので、筆算の練習にもなる。
お笑い芸人
元国税専門官。大学卒業後、東京国税局に入局。法人税の調査を経て、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに入る。お笑い芸人として、税務調査やガサ入れのネタなどでメディアやライブに出演。著書に『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』がある。