自死を防ぐために、親や周囲の人間がすべきこと

このような理由から、いじめの事実を誰にも話せないまま1人で悩んでいる子どもは少なくない。それを知られたくないという気持ちから、無理に“元気で明るい自分”を演じることもあるので、親が注意深く見守らなければならない。

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わが子を注意深く見守りながら、できるだけ早く異変に気づくべきだ。夜眠れない、イライラしている、しんどそうにしている、1人で考え込んでいるなどの異変に気づいたら、子どもの話をじっくり聞かなければならない。

かといって、根掘り葉掘り問いただすのは考え物だ。できるだけ子どものほうから話してくれるのを待ち、「学校に行くのがつらい」「学校に行きたくない」などの言葉が出てきたら、その理由を尋ねるといい。もし、「いじめられている」と子どもが訴えたら、親は「絶対守ってあげる」と伝えるべきである。

自殺するくらいだったら、学校には行かなくてもいい

もちろん、親としては子どもが不登校になることへの不安を抱いて当然だ。しかし、「学校には行かないとダメ」「学校を休んだらダメ」と言う親に対して、子どもはなかなか弱音を吐けない。そのため、無理して学校に行き、相変わらずいじめられることに絶望して死を選んでしまう場合もある。だから、「学校には行かなくてもいい」という選択肢もあることを親が認識し、それを子どもに伝えることが必要だ。

子どもの不登校は、親にとって不安とストレスの種になるだろう。しかし、精神科医としての長年の臨床経験から、自殺するくらいだったら、学校には行かなくてもいいと断言できる。

今は通信制の学校やフリースクールなどもあるし、インターネットによって知識を吸収することもできるので、学校の存在意義は以前に比べて低下している。何よりも大切なのは命である。生きてさえいれば何とかなる。そのことを忘れてはならない。

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