40、50代の転職者に多い「何でも聞いてこい」の人

役職付の転職・出向が多い40代、50代の転職でよくあるのは、与えられた役割や裁量権のギャップに戸惑うケースだ。

「たとえば、外資系企業へ転職する場合、もとの日本企業より裁量権が大きくなると思う方が多いのですが、そうでもないのですよ」

と三上氏。

「外資系の本社にとって、日本法人は辺境の支社。社長ですら本社の営業課長か部長格で、本社にお伺いを立てながらの仕事です。権限が明確なので、その範囲内の裁量は自由が利きますが、意外にできることが少ない。それを理解しておく必要があります」(三上氏)

中高年の場合、国内大手から中小企業への転職が大半だが、自分の役割をきちんと理解しないまま頑張りすぎて、そのまま沈没するという“罠”がある。原因は「上から目線のコンサルティング」だ。

「成功・失敗はスタートで決まります。大きい会社から移ってきて、いきなり『教えてやる』『何でも聞いてこい』という態度で臨むと、誰もついてこなくなります。これは、親会社から子会社・関連会社への出向でもよく見られます」(海老氏)

自分をお目付け役か何かとカン違いして、「教えてやっている」という態度に出るケースも。これではうまくいくはずがない。