変えるべきもの、変えてはならぬものとは
〈課題を発見し解決する能力〉とは、地域をよくするために何が課題なのかを現場目線で発見する能力のこと。県では今、若手・中堅職員を核に政策創造員会議を立ち上げ、課題を発見する取り組みを始めている。
「県民を幸福にするために何が大事なのか、主体的に動いてほしい」
〈異なるものを結びつける能力〉とは、多様性があるからイノベーションが起きるとの考えから。三重県は南北に長い国で、文化も業態も地域によって異なる。それを結びつけることで大きなパワーが生まれるのではないか。
〈普通の感覚を持つ〉とは、一県民として生活感覚を持つ常識人であってほしいということ。
〈共汗力〉とは、政策を県民に納得・理解してもらうには、共に汗をかき、寄り添う姿勢がなければならない。
〈歴史と科学を理解する能力〉とは、その地域の歴史を心得ると同時に、最先端の科学を先取りする能力。
知事は、かつて1300年の歴史を持つ伊勢神宮の大宮司に言われたことがあった。世の中には、変えるべきもの、変えてもよいもの、変えてはならないものがあるはずだ、と。
「変えてはならないものが歴史観としてわかっていれば、何を変えるべきなのかが見えてきます」
三重県知事
1974年兵庫県生まれ(本籍地三重県)。東京大学経済学部卒業後、通産省(現経済産業省)入省。2009年第45回衆議院議員総選挙に三重2区から立候補するが落選。11年三重県知事選挙に出馬し当選。36歳の全国最年少知事となった。