転職で給与が上がるのはどんな職種か?

転職時に給与が上がるかどうかは求人企業のニーズの大きさにもよる。

中途採用で人材を欲しがるのは、会社の新規事業展開などビジネスに不可欠なスキルを持つ人を望む企業か、単純に人手が不足しているので補充したい企業のどちらかだ。

後者の場合は、未経験者歓迎企業が増えていることでもわかる。エン・ジャパンの「エン転職」の全体の求人数に占める「未経験者歓迎」案件は2014年の9月の52%から17年9月は75%に達している。

職種別の「未経験歓迎」案件比率でも平均77%を占め、とりわけ営業系は80%に達している。実際に異業種に転職している人も年々増加している。異業種、異職種に転職すると経験やスキルがないので基本的に年収が下がるのが普通だろう。

一方、ビジネスに直結する高度のスキルを持つ人材は当然年収がアップする。それが、どういう職種なのか。求人倍率の高さで突き止めることができる。

リクルートキャリアの調べでは2018年3月の転職求人倍率(職種)のトップ3は以下の通りだ。

●インターネット専門職(WEB系エンジニア含む)5.82倍
●組込・制御ソフトウエア開発エンジニア4.62倍
●建設エンジニア4.21倍

▼「1人のITエンジニアを6社が取り合っている」

リクナビNEXTの藤井薫編集長はこう分析している。

「インターネット専門職は、IT企業に限らず小売業などウェブを販売ツールに使う多くの企業が欲しがっています。組込・制御ソフトウエアはAI技術やIoTも含めて機械にソフトを組み込む電機・自動車などのメーカーが最も欲しがる職種ですが、ともにIT系エンジニアです。インターネット専門職の約6倍という倍率は、1人のエンジニアを6社が取り合っているイメージです」

IT系エンジニアではSEも3.07倍、機械エンジニア3.10倍、電気エンジニアも2.98倍と求人数が多い。