のびのびとつき合える人間関係を築けているか
会社の枠をとり外して培養していった人脈は盤石です。学生時代の仲間のように、長く同じ距離感でつき合うことができて、しかも、いっしょにいるときにストレスを感じません。
一方、仕事環境から与えられた人脈はもろいものです。会社内や取引関係の人脈には特にその傾向があります。会社をやめた途端、連絡しても返信がなくなったり、前は頻繁に会っていたのに疎遠になったりといった例はいくらでもあります。
魅力的な人脈を自分から広げられない、どこにでもいる「いい人」にならないために、根気よく、「出会い慣れ」の努力をしましょう。
会社内や取引関係ではない人脈は、利害関係がないから心地良い人間関係になり得ます。ビジネスから離れているために、お互いにのびのびとつき合えるのです。
しかし、のびのびとつき合える人間関係が築けていることによって、結果的にビジネスに結びつくことはあります。学生時代の人間関係が、後年、ビジネスに結びつくということはよくあることです。同じように、何らかのコミュニティーにおける良好な人間関係が、ビジネスにつながる可能性はあります。
自ら率先してコミュニティーをつくれば、風景が変わる
たとえば、30代のうちは仕事とは関係のない話をしてお酒を飲む仲間だった異業種の2人が、40代、50代になってそれぞれの社で決定権のある地位となり、コラボレーションによるプロジェクトを立ち上げることになるかもしれません。こうしたケースにおいては、お互いに「人となり」をよく知っていますから、警戒感を抱く必要がなく、コトがスムーズに進むというメリットもあります。
数年後、数10年後のビジネスの成果は、人脈を築いたことによるオマケのようなものです。しかし、まったく期待できないオマケではありません。つまり、コミュニティーづくりは早いに越したことはないのです。
自ら進んでコミュニティーをつくるということは、コミュニティーの中心人物になるということです。このことも人生においては大きなプラスの要素となります。
コミュニティーを組織して、中心に位置する人物になると、本人にその意識はなくても、おのずと求心力がついてきます。簡単に言えば、周囲から一目置かれる存在になるのです。地位が人をつくるということです。
知らない人の集まるパーティーでは挙動不審だった過去があるとしても、コミュニティーの中心に位置するようになれば、いつも堂々たる態度でいる人物になります。自ら率先してコミュニティーをつくるようになれば、それまでとはまったく異なる風景が見えるようになるのです。