──日本人が書くマネジメントの本には、時々書いてありますよね。
はい。子どもに向けたような本が山ほどあります。それは日本女性の社会的地位が、世界144カ国中111位(世界経済フォーラムの2016年版「ジェンダー・ギャップ指数」より)と驚くほど低いため、男性上司が女性部下のマネジメントに慣れていないからです。
「女性は上手に、丁寧に扱わないと怖いぞ」といったおかしな社会常識は捨てましょう。
──意識している時点で、マネジャーとして失格ということですね。
はい。男性も女性も、年齢も性別も肌の色も関係なく、みんな同じ部下です。そのうえでマネジャーとしてやるべきことをやればいい。
指示は明確か、フォローはきちんとできているか、適材適所で能力に合った仕事を配分しているか。凹んでいる暇があったら、もう一度「マネジメントとは何か」を勉強してください。
──出口さんは、女性と男性を分けて接することはないんですか。
エレベーターに乗るときに、「レディファーストでどうぞ」とボタンを押して女性を先に通すくらいです。
レディファーストというのは国際標準のマナーであり、別に差別しているわけではありませんから。男性の長所は、筋力が強いことくらいです。
Answer:男女を分ける時点でアウト。マネジメントの本質を勉強し直してください
ライフネット生命保険会長
1948年、三重県生まれ。京都大学卒。日本生命ロンドン現法社長、国際業務部長などを経て2013年より現職。