【照美】男性ってやっぱり褒められたい生き物なんですね。私は新卒で入った会社で先輩女子社員から、男性の上司を褒めるときに「さしすせそ」を使うといいよと教えられました。「さすが」「知らなかった」「すごい」「センスいい」「そうなんですね」という5つの言葉。これさえマスターしておけば男性の上司は喜んでくれるからと言うんです。まあ、いまでもこの教えを守っています。実際うまくいきますね(笑)。

【佳代】承認欲求やプライドが高いのかもしれませんね。そういう人は自分が知らないことを認めたくないときに、口調が強くなる気がする。

【和歌子】ビジネス書を読んだりセミナーに行ってきた後に、その考えをあたかも自分の言葉のように話す人もいますよね。

【照美】間違いなく仕事はデキないタイプ。本当にデキる人って、中学生レベルでも理解できるように、言葉を選んで説明する。「エビデンスが」とか「PDCAを高速で回すんだ」とか、この人はカタカナ用語を並べたいだけなのかなとか思っちゃいます。

【和歌子】わかる! 男性に知っておいてほしいのは、「枕詞」を使ったほうがいいということ。「これお願いね」と言う前に、「忙しいと思うんだけど……」とか思いやりのある枕詞をはさむだけで印象がガラリと変わると思うんです。

【佳代】大事ですよね。ただ、やりすぎはNGですよ。とくに枕詞で「悪いんだけど」とか言われたら私は逆にムカつきますね。悪いんだったら頼まないでほしいし、何しろ変に遠慮されるのがイヤ。男同士なら「これ頼む」とか「よしっ、飲みにいこうぜ」と気軽に話しているのに女子に気を使う人は多い。「いま、ちょっといいかな?」「今日、元気ないね」とか言われるのも、それをいま話す必要があるのかと思う。仕事なんだから、遠まわしな言い方をしないで早く要件を伝えるべき。女子校出身者はとくに変に気を使わないで育ってきたから、男っぽい傾向にある。サバサバしているから、傷つけないようにと気を使われることでむしろ傷つくんですよ。

(撮影=三浦咲恵)
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