親子で将来に絶望し、何も行動しないのはダメ
理想としては、子供の生涯の生活費は全額親御さんが準備してあげたいことでしょう。しかし、現実はそう簡単ではありません。今回のIさんのご家庭のように、子供に一生涯の生活費すべてを残してあげられそうもないケースは実際の相談現場でもたびたび見受けられます。
では、子供の生涯の生活費すべてを準備できない家庭は「ダメ」なのでしょうか? お金を残してあげられないなら、そのご家庭は今から何をしても「ムダ」なのでしょうか? 答えはもちろんノーです。
一番いけないことは、親子で将来に絶望し、何も行動しない、支援も求めない、社会から孤立してしまう、ということです。
Iさんの場合、長男は今後就労できる可能性があります。このタイミングで生活のあり方を見直すことは、いずれにしろ将来にとってプラスになるはずです。仮に子供の生涯の生活費を全額準備できなくても、できるだけ多くのお金を残せる対策を検討する。そして子供を含めた家族で老後への準備を進めていく。そうした行動をとることが重要だと思います。