「上司と飲むより部下や若い人たちと飲め」

実際、ハローワークや転職サイトには、65歳以上の募集はほとんどありません。そして、わずかな求人に多数の希望者が殺到している状況です。それを勝ち抜くのは、よほどの経歴の持ち主だけ。高倍率の無謀な戦いに挑むより、現役時代に周囲の信頼を得ていれば、すんなりと次の仕事が決まるというわけです。つまり、再就職は人脈が命。会社の看板を外して、個人として付き合える知人を今のうちからたくさんつくっておけば、定年後の仕事に困ることもないのです。

特に大事にしてほしいのは、若い人たちとの関係です。「上司と飲むより部下や若い人たちと飲め」と人にはよくアドバイスしています。上司なんて自分より先に会社を出ていきますから、皆さんの再就職の力にはなってくれない。ところが部下や若い人たちは、皆さんが定年になるころに会社で偉くなります。

ではどういう若者が将来出世するのか。皆さんの職場にも「小気味いい」のがいるでしょう。会話がハキハキ、行動がテキパキしていて、よく気が利く人。そういう若者が出世する。普段からそういう優秀な人の相談に乗ったり、困ったときに力を貸したりしておけば、定年になったときに「もうちょっとうちで頑張ってください」と言ってもらえるのです。

幸せな再就職をするための絶対条件4

(1)社内で部下や若い人と仲良くしておく
(2)取引先や営業先の人たちと関係づくりをする
(3)資格を取る。社会保険労務士、行政書士などがお勧め
(4)自分の特技をアピールできるようにしておく

再就職に直結する資格は何か

再就職では資格も大事です。資格さえあれば仕事が決まるというわけではありませんが、高齢者の再就職での資格の有無は、現役時代より重視される傾向があります。これから何か資格を取りたいと思っている人に勧めたいのは、「中小企業診断士」「社会保険労務士」「行政書士」の3つ。これらは比較的取得しやすくて再就職に直結します。

中小企業診断士は、経営コンサルタントとして独立できますが、市役所などの公的機関で企業支援事業のアドバイザーとして働くこともできます。アドバイザーになれれば、週2~3日の勤務で1日2万~5万円というのが相場ですから、余裕で月10万円以上稼げます。

社会保険労務士は、一般に企業の総務部や人事部などで採用されやすい。嘱託社員の口もあります。「行政書士」も同様です。これらの仕事は嘱託で許認可等の申請書類の作成を引き受ける場合、1件2万~3万円。月に4~5件も受ければ月10万円はクリアできます。