若いうちに資格をとっておく

最近では「キャリアコンサルタント」の資格も人気です。今年から国家試験になりましたから、取得すれば教育機関やハローワークなどの公的就職支援機関などで、アドバイザーとして働き口が確保できます。ハローワークの研修会の講師などを務めれば、1回1万円程度の謝礼がもらえます。1日に2回で月5日間も務めれば10万円になる。さらに研修会社の依頼なら1回5万円程度になったりしますから、月2回壇上に立てば10万円です。これなら理想的なペースで稼ぐことができます。

ただし、60歳を過ぎたら頭も固くなって、勉強もなかなか身に付きません。まだ若いうちに学校に通うなり通信講座を受けるなりして、これらの資格を取っておけば、定年後の生活の大きなアドバンテージになるのです。

60代以降の働き方を考えると、会社員、特技や趣味を生かした仕事、コモディティー(働き手に付加価値がない)な仕事の3タイプに大きく分かれます。

まず、定年後も会社員として働きたいという人は、今の会社で雇用を継続するか、別の会社に再就職するかに分かれます。正直どちらも簡単ではないですが、前述したように、今から資格を取ったり専門スキルを磨いたりするのと同時に、周囲との人間関係を深めておけば、働き口は見つかると思います。

会社員の求人の中でも、60代を対象にした募集が多いのは「不動産・オフィス」「リフォーム」「ビルメンテナンス」の営業です。こういう仕事は営業経験があるのがベストですが、たとえ未経験だとしても、人脈さえ豊富なら採用されます。企業としては、マンションの売買やリフォームを考えている知人を紹介してほしいのです。つまり、人脈はこういうところでも役に立つわけです。

他にも石材(墓石)とか葬儀関連の営業・接客などは、お客さんから見ても年配の人のほうが相談しやすいので、60代や70代の高齢者が採用されやすい。

ところで、フルタイムは体力的に無理だけど、サラリーマンとして勤めたいという人は、主に政府・行政からの求人、例えば「ハローワークの相談員」「公営プールの監視員」「図書館のパソコン指導員」などが狙い目です。こういう仕事は、週4日程度の勤務で、月15万円程度の収入が見込めます。高齢者雇用推進のための行政の求人は常にあります。ただ1年とか2年などの期限付きがほとんどですから、常に次の働き口を探す必要があります。