心の病を患うケースもある

こうしたリスクは、フィジカルだけでなく、メンタル面にも表れる。

「怒りっぽい人というのは、他人の評価を気にする傾向があります。自分が思い描いている評価より周りの評価が低いと、強いストレスを感じてしまう。たとえば、自信を持って作り上げた資料を上司にボツにされたとき、我慢強い人は『上司とは考え方が違う』などと、自分の中で折り合いをつけられる。一方で『上司の理解力が足りない』などと憤る人は、新たなストレスを呼び込んでしまいます。こうした状況が重なると、ひどい場合はうつになったり、心の病を患うケースもあるのです」

メンタルヘルスに関する研究では、究極のストレスに打ち勝つ指標として、SOC(Sense of Coherence)という3つの要素がある。1つ目は「有意味感」。辛い場面に直面していても、それが何らかの意味を持つものとして認識できる感覚のこと。2つ目は「把握可能感」。困難な状況を、焦らず冷静に分析し、全体像が把握できる感覚のこと。3つ目は「処理可能感」。どれほど辛い立場でも、「何とかなるだろう」と思える感覚。

「SOCが高い人ほど、実際にうつになりにくいんです。そういう人は、怒りの感情も湧きにくい。SOCは、腹を立てやすいかどうかにも、密接に関係していると思います」

感情と言動を上手にコントロールして、健やかな毎日を送りたい。

吉野 聡
新宿ゲートウェイクリニック院長。東京都知事部局健康管理医などを経て、2012年吉野聡産業医事務所を設立。15年開院。著書に『「職場のメンタルヘルス」を強化する』(ダイヤモンド社)。
 
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