これまで述べてきた純粋にビジネスといえる副業に比べて、少々毛色が変わっているのが次に紹介する「予備自衛官」だ。ふだんは社会人や学生として本業を持ちながら、有事には自衛官として任務に就くものだ。予備自衛官には「即応予備自衛官」(即応)、「予備自衛官」(予備)、「予備自衛官補」(補)の3種類がある(表では「予備」と「補」について記載)。

予備自衛官の応募は何歳まで?

「この中で、元自衛官以外の人が応募できるのが『予備自衛官補』で、『一般』と『技能』に分かれています。一般は日本国籍を有する34歳未満。技能は職種で異なりますが、日本国籍で技能を有する53~55歳未満が条件です」(防衛省・人事教育局人材育成課長の品川高浩氏)。技能は医師や臨床心理士等の「衛生」や「語学」「法務」「情報処理」など多岐にわたる。

一般は3年以内に50日、技能は2年以内に10日の教育訓練を終了すれば「予備」となる。「補」の訓練では1日当たり7900円の訓練手当が支給され、「予備」になると月額4000円の手当がつく。

「昨年4月に発生した熊本地震では、被災地支援のため162人が現地入りして任務に当たりました。今後似た事例が起きれば、要請内容に応じて、予備自衛官を積極的に活用したいと考えています」(品川氏)。災害派遣で特に士気が高いのは、技能予備自衛官だという。なお、現地に赴くと予備ではなく「自衛官」に任ぜられる。

「熊本地震では、北熊本駐屯地の第8師団が支援に赴き、素早い対応ができました。でも地元に災害が起きたときは心理的負担になる面もあり、地域事情に精通する師団がいいのか、他地域の師団がいいのか、今後検討を重ねていきます」(同)

警備会社をはじめ、さまざまな業種に予備自衛官がいるそうだ。「関心があれば会社に打診して、積極的に応募していただきたいですね」と品川氏は語る。

(撮影=大杉和広)
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