残るひとつの愛知県飛島村は、伊勢湾最北部に面し、工業地帯と広大な農村を抱えている。他2自治体と同じ質問を役場担当者に投げかけたところ、村長の回答のみが公式見解になるとのことで、以下のような返答が寄せられた。
「過度な返礼品競争に加わることは望ましくないと考えてきた。一方で、ふるさと納税の返礼品によって、地元の特産物を全国に発信することができるという側面も、村として重要な施策であると考えており、今後はふるさと納税制度の趣旨をそこなわない範囲での返礼品を検討してまいります」(飛島村・久野時男村長)
実は日本で1、2番目に「金持ち」な村2つ
ここで注目すべきは、泊村と飛島村が財政的に非常に豊かな自治体であることだ。特に飛島村は「日本一裕福な村」としてたびたびメディアにも取り上げられている。地方公共団体の財政力を示す総務省の「財政指標」(2015年度版)によれば、飛島村の財政力指数は「2.09」で、堂々の全国1位。そして泊村も「1.81」で全国2位となっている。この指数が「1」を上回れば、自治体内の税収のみを財源として円滑に行政を遂行できるとみなされ、地方交付税交付金が支給されなくなる。つまり、泊村と飛島村はふるさと納税で税収増を目指さずとも、十分に間に合っている「金持ち自治体」というわけだ。
ちなみに御蔵島村の財政力指数は「0.11」。全国の自治体の中でも、下から数えたほうが早い順位となっている。御蔵島村にはぜひ頑張って返礼品を開発し、ワースト1位を脱出してほしい。