『続・哲学用語図鑑』(プレジデント社刊、田中正人著、斎藤哲也編集・監修)より
▼孫子(孫武)

斉の生まれ。春秋時代の武将・兵法家。呉王の闔閭(こうりょ)に仕え、多くの戦功をあげた。兵法書『孫子』は、現在に至るまで、多くの経営者や指導者の愛読書として読み継がれてきた。なお、司馬遷の『史記』孫子列伝には、孫武の子孫ともいわれる孫ピン*(そんぴん)が登場する。孫ピン*も斉の威王に仕えた兵法家で、兵法書を残しており、司馬遷はそれぞれを『呉孫子兵法』『斉孫子兵法』としている。

▼墨子

諸子百家の1つである墨家の祖。戦国時代初期の思想家。名はテキ*。墨とは入墨の刑のことで、「墨子」は卑しみを込めた呼び名であるとの説もある。身分についても諸説あるが、手工業者の出身と考えられている。経歴はほとんど不明。魯に生まれて宋に仕えたという。儒家とは対照的に、礼楽を軽視し、勤労と節約を尊んだ。