現状分析
⇒平均値を調べたものの、原因は本当にそこなんだろうか?……
データの特徴を把握するには「大きさ」と「バラつき」の2つの視点が大切です。このケースでの「大きさ」とは来店者数、「バラつき」とは週ごとの来店者数のバラつき度合いです。
まずは、年齢層ごとの週別来店者数データの過去30週間分を用意し仮説を検証しましょう。おそらく多くの人が行うのは、年齢層別の週当たり平均来店者数の比較でしょう。下の表の結果を見ると最も低いのは21~35歳層ですが、この層に問題があると結論付けるのは早計です。30週分のデータすべてをどんぶり勘定にした数値だけで、意思決定してはいけません。平均値だけでなく30週での推移を見ることで、これまでの傾向や今後の予想がつきます。
そこで5週間ごとに平均をとり、グラフで可視化してみましょう。すると、21~35歳層は絶対数は少ないものの、やや上昇傾向にあり、扱いには慎重になるべきことがわかります。
それより気にかかるのは36~50歳層の乱高下、つまり「バラつき」です。来店者数に比例し売り上げの振れ幅も大きくなり、経営リスクが高くなります。
【時間の推移で平均値を見てみよう】
今度はさらにデータを細分化し、5週ごとの平均来店者数の推移を見てみる。これにより、さらに詳細な来店者層の傾向を把握することができる。前回の30週分の来店者数表を基に5週ごとの平均値を割り出した表からグラフを作成する。
推移を見るのに適した折れ線グラフにしてみると、21~35歳は絶対数は少ないがやや右肩上がり傾向にあることがわかった。一方、36~50歳は30週全体での平均値は最低ではないものの、時期による乱高下が目立つ結果となった。