公平・中立の立場で業界を支援

――クラウドポートはソーシャルレンディング事業そのものをビジネスにしているわけではないのですね。
藤田雄一郎・クラウドポート社長

ソーシャルレンディングの比較サイトを展開しています。ソーシャルレンディングの事業者が20社まで増えてきて、各社がそれぞれいろいろなファンドを出しています。新たにソーシャルレンディングに投資したいと思っても、どの会社のどのファンドに投資してよいかわからないという問題が出てきました。われわれはそうした投資家に対して、中立的な立場から情報を提供していくソーシャルレンディング専門メディアを目指しています。

ソーシャルレンディング事業者が自社の商品をいいと言っても、客観性がない。私自身が過去にソーシャルレンディング事業側にいた経験もあり、その知識を基に、公平な立場で業界の発展に寄与していきたいと考えています。

――先日のソーシャルレンディングサミットでは実績を上げている個人投資家も登場して体験談を披露しましたが、実績を上げている人で特長的なことはありますか?

特徴的な点として、株やFXで過去に失敗した人が多いと感じます。ボラティリティの高い金融商品で損をされた人、向いてないなと感じた人が、より安定的に少ない手間で運用できる金融商品を探した結果、ソーシャルレンディングに行き着いたようです。経験者でも初心者でも、パフォーマンスの差がつきにくいのがソーシャルレンディングの魅力的な点です。われわれはソーシャルレンディングをフィンテックという新しい金融分野における個人の資産運用の新しい選択肢として支援していきたいと考えています。

藤田雄一郎 クラウドポート社長
早稲田大学商学部卒業後、サイバーエージェントに入社。その後2007年にWeb構築、マーケティング支援を行う企業を創業し、2012年に上場企業に売却。2013年に日本クラウド証券の設立に参画。投資型クラウドファンディングサービスの「クラウドバンク」を立ち上げ、サービス開始から2年半で80億円の資金を集めるプラットフォームに成長させた。2016年にクラウドポートを創業。
 
(聞き手・構成=丸山隆平)
関連記事
母親の「ネットショップ開店」を実現したECサービスの未来地図
ゼロ金利で加速! 住宅ローンの借り換えメリットを瞬時に計算
「貯蓄・年金・保険」老後に困らないための選択
「貯められない人でも貯められる」って本当か?
ビル・ゲイツが断言「今ある銀行は必要なくなる」