プレミアリーグを超えるのが目標

――なるほど、テバス氏が2013年に会長に就任されて3年ですが、こうした改革によってラ・リーガは大きく変わったわけですね。これから直近数年での展望はいかがでしょう?

【テバス】状況は大きく変わりました。先程申し上げたように、試合開始時間が午後1時になるなど、スペイン人にとってはなじみのない時間にキックオフするケースもできました。スタジアムで観戦する観客の人数は以前と変化ありませんが、テレビでの視聴率も高まり、収入も増えました。最初の数年で、放送権の収入が6億ユーロから10億ユーロに増加しました。

しかし、ラ・リーガには世界トップクラスの選手やクラブがあるものの、財政面ではまだ、(イギリスの)プレミアリーグに負けています。私の目標は、2020年までにラ・リーガの収入を20億ユーロに増やし、アジアでの視聴者数を現在の2億人から4億人に増やすことです。その目標に向けて日々尽力しています。

――なるほど。とはいえ、放映権収入が大きくなることのデメリットやリスクもあるのでは?

【テバス】あまりに大きくなりすぎると危険性があるかもしれませんが、成長率を測るという点では、収入を伸ばしていくことが大事です。現在の成長率なら大丈夫かと思います。スペインリーグは大変な収入が見込まれるリーグです。他のリーグとの競争力を考えても、今は問題は顕在化していないと思います。

――プレジデントオンラインは、日本の社長や管理職が多く読む媒体です。最後に経営に悩む方々へ、規模に関係なくできることについて、アドバイスやメッセージをお願いします。

【テバス】「国際化」というところが大きなキーになると思います。成長しつつ競争に打ち勝つには、国際化に合わせる必要があります。たとえばデジタル化に対応するなどですね。デジタルとは、Webやソーシャルネットワークだけではありません。AIなども利用して改善を行い、国際化を図っていくことが重要だと思います。

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