「2億円の機会費用」からみると、かなりの金額を使っても元は取れますが、育児中の夫婦は一般に年齢が若く、給料もそれほど多くありません。出せる金額の限度を、育児中の共働き世帯の平均的な年収で考えてみましょう。モデルケースは、夫が30歳、妻29歳、子供1人(1歳)。夫の給料を生活費に充て、時短勤務中の妻の手取り16万円の中から保育料約10万円(延長保育やシッター、病児保育などを含む)を出すと、家事代行に充てられるのは月5万円、年間60万円程度が上限でしょう。

一方で、仮に1回2時間で5000円とし、週2回利用した場合、費用は年間50万円(1年を50週として計算)。したがって、1回2時間で週2回利用をしたとしても、妻のキャリア温存のコストと考えられるのでは? 育休明けの1歳から4歳になるまでの3年間利用したとして、合計150万円。

なお、コストを抑えたい場合は、より料金の安い公的なシルバー人材センターの家事代行サービス(1時間=1000円前後)を利用する手もあります。

豊田眞弓

ファイナンシャルプランナー、FPラウンジ ばっくすてーじ代表。経営誌や経済誌のライターを経て、1994年より独立系FP。個人相談業務を行うほか、新聞や雑誌に多数のマネーコラム
 
(河合起季=構成 榊 智朗=撮影)
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