メーカーや小売、外食各社の従業員給与の推移は?

メーカーでは、計測測定機器のキーエンスが、3位にランクイン。米アップルと同じように工場を持たないファブレス企業であり、営業利益率は50%超で推移。高い利益率をマークしている企業だけのことはある。

ただし、メーカーの多くはキーエンスとは異なり自社で製造部門を抱え、それら従業員を含めた大人数の平均値であることから、1000万円を超える企業が少ないともいえるだろう。

トヨタ自動車の場合、新入社員からベテラン社員までおよそ7万3000人の平均だ。新入社員や若手を除き、中堅・ベテラン社員に限れば、平均給与851万円より跳ね上がることはいうまでもないだろう。

平均給与が約800万円の三菱電機は、20人を超える執行役全員の年俸は1億円を超す。執行役の座を目前に控える次長や事業本部長、支社長などの給与水準が気になるところだ。

平均給与だけで見れば、小売業や外食、サービス業各社のそれは、金融業やメーカーなどの他業種に比べて低い水準にとどまる、といっていいだろう。従業員の平均年齢が若く、平均勤続年数も短いといことが主な要因である。

ただし、安倍政権が進めている、いわゆる“アベノミクス”に応えようとしている企業が目立つのも事実。持ち株会社を除いた事業会社で見れば、コンビニのローソン、「無印良品」の良品計画、靴販売のABCマート、婦人服販売のしまむらなどが、従業員を増やしながら平均給与も上昇させている。

現経団連会長を輩出している東レも、平均給与を開示する単体ベースでいえば、従業員の減少にかかわらず経費として計上している給与・賞与額が8億円弱ほど増額(製造原価に含まれる人件費は不明)になったことで、15年度平均給与は14年度比で20万円ほどのアップになっている。