将来は自動車保険の保険料が引き上げに

法定利率の改正は、交通事故にもかかわってくる。

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損害賠償額の考え方(事故で5年後の年収500万円を失った場合)

交通事故の損害賠償額は、被害者の逸失利益(事故がなければ得ていたはずの収入)をもとに算定される。もっとも、被害者が仮に定年まで働いたときの逸失利益が5000万円だったとして、それがそのまま賠償額になるわけではない。いま5000万円が手に入ると、資産運用して定年時に6000万円になっているかもしれないからだ。この利息相当額を「中間利息」といい、逸失利益から差し引いたうえで損害賠償額が決まる。

「法定利率は中間利息の計算に使われています。法定利率が高いほど利息が大きくなり、いま受け取れる損害賠償額は小さくなります。改正案のように法定利率が引き下げられれば、逆に損害賠償額が膨らみます」

一方で、保険会社の負担が増えるので、自動車保険料は引き上げられることが予想される。ドライバーには痛し痒しといったところだ。

(図版作成=大橋昭一)
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