結婚できない男【2】仕事が忙しすぎて予定が立てられない男
「シュウさんは今まで結婚のチャンスはなかったんですか?」「うーん、37歳ぐらいの時に一度あったかな」「お相手の女性は何歳ぐらいの方だったんですか?」「32歳。職場の同僚ですね」「めっちゃいいじゃないですか! なんで別れてしまったんですか?」
職場恋愛はいい。仕事に対する姿勢を見られ、見せられる。また仕事を通して自分が大事にしていることや価値観をお互いに理解しやすい。お見合いや婚活パーティーなどでの出会いのように、何も知らないところから、お互いを知っていくという大変な作業を省くことができる。
シュウさんは、小さなため息をつきながら答えた。「今もですけど、仕事が忙しすぎて、デートの予定が思うようにいかなくて。同じ会社だから、彼女も理解してくれていると思ってたんですよ。ところが、突然フラれましてね。その直後、彼女は3つ年下で当時29歳の同僚と結婚していきました。やられましたよ、あれは」
――わかってないな、この人。
ここで明らかにしておきたいことがある。問題は、仕事が忙しすぎることはではない。デートの予定が思うように行かないという点が問題なのだ。おそらく予定を延期したり、中止したり、時にはドタキャンもあっただろう。
多くの女性は、好きな人が頑張っているのを邪魔したくないと考える。だから我慢することを選ぶ。仕事を理由にデートの予定をキャンセルされたとしても「大丈夫、お仕事頑張ってね」と言葉をかける。
その言葉を額面通りにしか受け取れない男が結婚できると思ってはいけない。仕事が忙しいという前提を取り払って考えてみよう。デートの「約束を破っている」のである。しかし、「仕事が忙しい」が許されると、約束破りの罪悪感が失せてしまう。ここに問題があるのだ。
彼女はおそらくこう思っただろう。「食事に行くという小さな約束すら全然守れない人と、この先結婚するのは無理ではないか」と。目の前に、小さな約束を積み重ねて守っていける男が現れたら、そちらのほうに行くのは無理もない。