結婚できない男【1】「子どもが欲しい」から結婚したい男
2016年も終わりに近づいた頃。とある会合で、ある男性と名刺交換をした。
「あ、大西さんは結婚相談所を経営なさっているんですね。僕、独身なんです。お世話になっちゃおうかな」
名刺には、誰もが知る大企業の名前に、燦然と輝く会社のロゴ。男性に目を戻すと、細身のイケメンだが、明らかに40歳を過ぎている。
彼の名はシュウさん、43歳。つい、職業病がうずき、結婚相談所を訪れるお客さまにいつも聴く質問をしてしまった。「シュウさんは、子どもが欲しいというお気持ちはないんですか?」と。
「そうなんですよ。周りの友達にも子どもができるやつが多くて。僕もこのままじゃいけないなと思って」
さて、みなさん。ここまでの会話に違和感を覚えなかっただろうか。もしあなたが今年中に結婚したいと考えているアラフォーの男性で、違和感を覚えなかった場合は、年内の結婚は無理だと思ったほうがいい。
▼子どもが欲しい男性が結婚できないシンプルな理由
まず、こちらの表を見てほしい。総務省統計局発表の「人口推計」によると、20歳から54歳までのすべての年齢層で、女性より男性の数が多いことがわかる。これは既婚、未婚、死別・離別などすべてを含んだ数だが、大前提として、結婚適齢期と言われる年齢層では「男が余り、女が足りない」のだ。
さきほど「子どもが欲しい」といったシュウさんは43歳。同世代の女性とこれから結婚となると、子どもを授かることは不可能ではないけれども厳しくなる。こういった男性は、30代までの女性を結婚相手として希望するケースが多い。
ところが、表を見てもらえばわかるとおり、40代の同世代ですら男性が余っている。20代・30代はさらに激しさを増し、その世代だけで、合計60万人の“男性余り”となっているのだ。
私が経営する結婚相談所に限って言えば、40代男性が子どもをもつことを希望する割合は8割を超える。単純に考えれば、結婚を希望する未婚40代男性の8割が、20代・30代の女性にアプローチしようとすることになる。元々男性が60万人余っている20代・30代ゾーンに属する独身女性をめがけて、十万、いや下手をすれば百万人単位の独身男性がアプローチするとしたら……これはかなり困難な道のりといえる。
しかも、日本は少子高齢社会。表を見ると45~49歳をピークに、それより若い年齢層の人口自体がどんどん減少している。自分より年下の女性と結婚しようとする男性は、日本の人口減少とも戦わなければならないのだ。
こうした市場の厳しさを把握せず「なんとなく子どもが欲しい」から婚活をする無策な男性は、婚活で勝てると思ってはいけない。では、どんな対策を立てる必要があるのか。引き続き、結婚できない男の典型例を見ながら、対策を考えてみよう。