だからといって、慌てて株式投資を始めるのはおすすめできません。現在、国際金融市場は緊張が高まっています。ひとつの指標は米連邦準備制度理事会(FRB)の「ゼロ金利」政策。FRBは金融危機後の2008年12月から7年近くにわたってゼロ金利を続けています。エコノミストのなかには年内の「利上げ」を予想する声が高まっており、実現すれば経済にブレーキがかかりやすくなり、これまでのように株価が継続して上昇し続けることは難しくなるでしょう。リーマンショックのようなクラッシュの可能性もゼロではありません。そうなれば日本市場にも大きな影響が及びます。

資産運用においても、下落リスクに対応できる金融商品を選ぶ必要があります。おすすめは大胆に資産比率を調整することでリスクを抑えるブレーキ付きの商品(図参照)。現在のように先行きの不透明な状況では、こうした商品のほうが安心です。

藤川 太

生活デザイン代表。CFP。1968年生まれ。慶應義塾大学大学院理工学研究科修了。自動車メーカー勤務を経て独立。運営する「家計の見直し相談センター」では2万世帯を超える家計診断を行っている『やっぱりサラリーマンは2度破産する』など著書多数。
 
(呉 承鎬=構成)
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