他者との違いを面白がれればストレスがなくなる

【三宅】最近ではビジネスマンも、外国人とメールのやりとりをする機会は格段に増えていると思います。そのときに、恥ずかしくないビジネス文書を書けることは、大きな武器だし、先方からの信頼につながることは間違いありません。

【松本】そうです。

【三宅】ビジネスでは必要に迫られてという側面が強いのでしょうが、これを一般の英会話学習者に置き換えて考えれば、自分の興味がある分野で英語を磨くのが一番いいと思います。好きなことだからこそ、英語で読めるし、話もしたい。そういうところから始めるのもいいかもしれませんね。

そこから本当の英語のレッスンがスタートする。興味のないものを覚えるのもたいへんですし、興味があれば、リスニングにも集中できます。さらに、勉強したことを周囲の人たちに伝えたくなり、どんな言い方があるんだろうと創意工夫が生まれます。

『対談! 日本の英語教育が変わる日』三宅義和著 プレジデント社

【松本】同感です。多くの人は、英語の勉強と自分の仕事や趣味を分けて考えがちなんですが、社会人として再入門する際には、自分の興味あることに関して英語で情報をとるようにするとよいでしょう。例えば、スポーツについて興味があれば、ネットのスポーツの英文記事を読むようにすればいいでしょう。そして、少ししたら、例えば、大リーグでのイチローについて英語でレポートを書いてみるといったことにもチャレンジしてほしい。

一方、仕事に直結しているなら、自分の所属している業界に関する英文ニュースは読むというように一石二鳥を狙えばよいのです。社会人の場合、英語を勉強していること自体が生き甲斐になっている人たちもいるでしょう。それはそれで素晴らしいのですが、やはり、即戦力の英語を意識したほうがよいのではないでしょうか。

【三宅】グローバルということが盛んに言われていますが、松本先生が考えられるグローバル人材というのは、どのような人物像をイメージされていらっしゃいますか。

【松本】寛容性があって、ストレス耐性があって、なおかつ、いろいろなことに興味・関心を持てる人。加えて、他者との違いをストレスに感じず、面白がることも重要ですね。私自身、外国人と仕事をしていると、「あぁ、そういうこともあるんだ」ということの連続です。しかし、それを受容し、面白いと思えれば、ストレスにはなりません。

【三宅】本日はありがとうございました。

(岡村繁雄=構成 澁谷高晴=撮影)
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