もっとすごいのは後者。外貨で運用し、保険契約者があらかじめ目標とした額(ターゲットライン)に達したときは利益確定し、円運用に切り替える商品なので、為替や金利の動向を予測し計算する必要がある。
「どう為替や金利が動いても耐えうる商品設計にしなければいけません。ロングドリームGOLDは5000通りのシナリオをつくりました」
一つの保険商品をつくるには膨大なバックデータが必要だ。「商品設計には長期間を要します」というのもうなずける。とことん検証を経たうえで、ロングドリームGOLDのような新商品が生まれるのだ。
▼予定死亡率、予定利率、予定事業費率で設計
[図A]
「ニッセイみらいのカタチ5つ星」の保険料試算シート。性別や年齢によって保険料がいくらになるかを営業職員がシミュレーションするときにつかうフォーマットの原型だ。商品開発の際、条件をいろいろと変えながら、保険料が適当かを検討するときに使用している。
[図B]
[図A]を作成するその裏で膨大な計算をしているが、これにもエクセルを使用。この保険はがん、急性心筋梗塞、脳卒中に重点的に備えるタイプなので、3つが起きる確率を3歳~80歳超まで1歳刻みで当てはめて計算。
▼金利、為替の動向を5000通りシミュレーション
[図C]
銀行窓販用の貯蓄性が高い保険料一括払い商品「ロングドリームGOLD」のシミュレーション。外貨で運用し、最初に保険料の105~200%の中からターゲットライン(目標額)を決め、それに到達した場合には、円の運用に切り替え利益を確定する。金利や為替などの条件でターゲットラインへの到達確率は大きく変わる。
[図D]
[図C]グラフをつくるためのバックデータのごくごく一部。異なる条件を入れて1日ごとにシミュレーションし計算する。5000パターンに及ぶ表とそれを基にしたグラフも小笠原氏がコツコツとエクセルで作成したものだ。