「過去にとらわれるな」「“真っ白な視点”を形にしろ」
鈴木さんが日々、POSなど売上げデータなどをこまめにチェックするのは、数字の向こうに顧客のココロを読むためだったのです。
若者や女性消費者の心理や動向について私がお話することに関しても、「うんうん」と耳を傾ける謙虚さにはいつも頭が下がりました。本当に腰が低く、好奇心旺盛で、目を輝かせながら私にいろいろ質問して下さいました。
引退会見前日の面会の日。エレベーターホールに到着する直前、鈴木さんはこう言いました。
「過去にとらわれないで。“変化対応”することを忘れないよう。あなたは、若い人たちの“真っ白な視点”を形にできる人でしょう。持ち前の気付きを大切にしてください」
今思えば、すでに一線を退く気持ちが固まっていた鈴木さんが娘世代の私に託してくれた「最後の言葉」だったのかもしれません。そうやって過去の権力に固執せず、さっぱり明日へ向かうところも、女性的感性だなと感服したのでした>