「嫌々早朝出勤」派は日中の仕事効率が悪い?

得意の英会話力のおかげで40歳にして転職に成功し、子どもには0歳から英才教育を施す女性(41歳・IT企業)はこう話す。

「朝活? したことないですね。夜遅くまで仕事や家事で忙しいし、やりたいと思う活動もないですし。英語の勉強は、朝やったほうがいいかなと思った時期もありましたが、それで業務中に眠くなったりすると本末転倒なので、仕事の合間合間にやるようにしています」

確かに「周囲(会社の上司や同僚)が早朝出勤なので」「友だちが始めたので」といった理由で、朝仕事や朝活を始めても意味はない。逆に、着実に成長している人は、周囲に流されず自分のペースとリズムをよく知って行動しているといえるかもしれない。「会社に強制させられている派」や「なんちゃって早起き派」には「三文の徳」はやってきにくいのだ。

もしかしたら、そうした「嫌々な早朝出勤・朝活派」が少なくないことが、前出のNHK放送文化研究所の調査の、夜の時間帯における「仕事」をしている人の率の高さにつながっている可能性もある。

1995年に比べ、2015年のほうが「残業」している人が多い傾向となっている。「早朝出勤はしたものの“体質”には合わず、日中の仕事効率が落ちることがあります。特にランチ後がひどく眠くなったりだるくなったり」(34歳男性・商社)。その結果、やり残しが増え、残業してしまうことになる。この男性は、そうした生活で体調を崩すこともあるという。

前回調査(2010年)との比較では残業率が減っている時間帯もあるが、早朝出勤組が増えているので、1日の仕事時間は増えている。そう考えると、「右へならえ」式の早朝出勤や朝活はやめたほうが無難かもしれない。

※出典
・「2015年 国民生活時間調査」(NHK放送文化研究所)
2015年10月、全国10歳以上の国民に調査。有効調査数7882人
http://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/pdf/20160217_1.pdf
・「ビジネスパーソンに聞く『景気と時間』」(シチズン)
2014年4月、全国のビジネスパーソン(既婚・子ども有)400人に調査。
http://www.citizen.co.jp/research/time/20140610/outline.html
・「朝活に関する調査」(クロス・マーケティング)
2014年10月、一都三県に住む20~69歳の有識者の男女に調査。有効回収数は1600サンプル。
https://www.cross-m.co.jp/news/release_detail.html$/rid/26420/

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