「朝型」に執着する人は、成功できない?

一方、朝早くに起きて「仕事以外」のことをしている人もいる。いわゆる朝活もそのひとつだ。就業前の朝の時間を勉強や趣味、健康増進などの活動にあてることを指す。

「朝活に関する調査」を取ったクロス・マーケティングによると、朝活をしている人は166人中8.7%と、1割にも達していない(2014年回答時点)。案外、少ない印象を受ける。

そして、その1割未満の朝活派、中でも「1人で朝活をしている」男女20~40代の活動内容を見てみると、突出して多いのはこの2項目だ。

・スポーツや散歩などの健康増進
・料理を作ったり食べたりしている行為

そのあと、

・趣味の上達
・自己啓発(教育や成功哲学・セルフコントロールなど)
・能力・スキルの向上(語学や資格の勉強など)

と続く。

朝活派は早起きが習慣化している「意識高い系」と思われるが、朝活率「10%未満」の数値が物語るように、実践しているのは少数だ。

独身一人暮らしのユミコさん(32歳・建設会社営業)は、「ちょっと前まで、6時過ぎに起きて、7時半から45分間会員制スタジオでヨガのレッスンを受け、出勤する途中にカフェへ寄って、朝ご飯を食べるようになり健康的になりました」とはいえ、半年間で朝ヨガ生活を中断。今は朝食を摂らない生活に逆戻りしてしまったそうだ。聞けば、「朝活したのは、(ヨガの)行き放題プランコースに入っていたので、(料金分の)元を取ろうと思っただけ」で、もともとモチベーションが高かったわけではない。

このようにはやりの朝活を試してみたが、日常生活に定着するにはいたらなかったといった事例は少なくない。こんなケースもある。

「オンライン英会話のレッスンを早朝に受けていた時期があったが、どうしても寝起きが悪く、続かなかった。今は深夜に受けている」(40歳・会社員・既婚男性)

この会社員は4年以上もオンライン英会話を続けており、TOIECの点数を飛躍的に伸ばしているという。早起きは三文の徳といわれるだけに、一度は実践してみるものの、自分にはフィットしないとわかった場合は、さっと切り替える。そうした臨機応変さがある人のほうが実はビジネスは成功するのかもしれない。