雨だれが激しく石を穿つのは、
激しく落ちるからではなく
何度も落ちるからだ。
――ルクレティウス●古代ローマ・哲学者、詩人
原子論に近い自然法則を説明し、後のルネッサンス期に影響を及ぼした著書『物の本質について』の一節。もっとも、ここではアタックしてくる女性に根負けした男性に愛が生じることの喩えに使っている。
物事に対して腹を立てるのは
無益なことだ。
なぜなら、物事のほうでは
そんなことにはおかまいなしなのだから。
人間がお互いに忍耐しあうのは、
正義の一部である。
――マルクス・アウレリウス●第16代ローマ皇帝
「生きているうちに善き人たれ」等々の内省的な言葉を、自らに語りかける形で書いた『自省録』で知られる「哲人皇帝」。いずれも厳格な倫理観と自制心に貫かれている同書の一節。
人間の幸福は、
稀にしかやって来ないような
大チャンスが生むのではなく、
常日頃のわずかな利益が
積み重なったものだ。
――B・フランクリン●米・政治家、哲学者
米独立宣言を起草した政治家・哲人。避雷針を発明した物理学者でもある。幸福も他力ではありえず、日々の小さな積み重ねあってこそ。著書『フランクリン自伝』は自叙伝文学の古典。