関係性を考える際にまず意識するのが「ユニット」です。ユニットとは「意味のあるまとまり」のこと。表現要素のユニット数がいくつになるか、レベル感の統一を意識しながら洗い出します。代表的なユニットの4パターンを<図4>にあげます。表現要素のユニット数が2つなら、並列・均衡、対立・比較、二者択一で関係性をつくることができ、3つなら調和や三角関係、三段論法の関係性をつくることができます。

ユニットのパターンを洗い出したら、関係性のパターンとしてどれを用いたら適切かを考えましょう。<図4の右側>に関係性の7パターンをあげました。前出のSNSの案件の場合、「人を知る」「つながる」「集まる」を矢印で結び、互いが「循環」している様子をビジュアル化したものを示します(図3の関係性設定)。直感的に仕組みを理解できるようになったのではないでしょうか。

最後のステップは「加工・強調」です。見た目の印象をより鮮やかなものにするのです。SNSの案件の例では、3つの項目がリンクした様子を色付きのアイコンで強調することで、第1ステップの状態と比較すると、文字が大幅に削減され、「SNSとはユーザーが個人プロファイルと意見を表現しながら、コミュニティを創出する」というメッセージがダイレクトに伝わるようになりました。

&Create(アンド・クリエイト)代表 清水久三子
1969年、埼玉県生まれ。お茶の水女子大卒。日本IBMグローバル・ビジネス・サービス事業部、ラーニング&ナレッジ部門リーダーを経て、2013年独立。著書に『プロの課題設定力』『プロの資料作成力』などがある。
(構成=大塚常好(プレジデント編集部))
関連記事
資料のメッセージを効果的に視覚化する「テキスト・表」の使い分け
孫正義が唸ったプレゼンマスター×売れっ子コピーライターが教える「人を動かす言葉、何も伝わらない言葉」
TEDプレゼンに学ぶ「インパクト図解術」
5分で完成!一発OK!「資料」のカンタン作り方
なぜソフトバンクでは棒グラフがすべて右肩上がりなのか