バレンタインで女性の段取りの良し悪しがわかる

ただ、なるべく義理チョコにはコストをかけたくない、というのが女性の本音だ。

義理チョコの場合、前述したように個人ではなく社内の複数の女性でチョコを購入するケースが少なくない。予算の上限を自分で決められる本命と違い、チームワークを重要視する日本の職場では自分の意思とは関係なく決まることが多い。

先の手作り派・アキコさんも当初は部署内の女性らと購入していたが、部署の男性スタッフが増えるにつれて対象者が増え、その分1人当たりの予算も上昇。負担に感じるようになり、部署全体がチョコをあげる習慣がなくなったそうだ。

「そこで私だけが買ってきてあげると抜け駆けみたいになるので、男女まんべんなく手作りのクッキーをあげるようにしたんです。もともと家にあった材料と新たに買った板チョコやドライフルーツ、ラッピング代しかかからないので、コストも全然負担ではありません」

ちなみに、アキコさんはクッキーをチョコチップ入りとラズベリー入りの2種類を用意し、各自選んでもらっているのだという。それも、1人5枚ずつで、家族で味わってもらえるように。

しかしこうして見ると、バレンタイン菓子には(1)コスト意識、(2)女性社員間の協調性、(3)リサーチ能力、(4)細やかな気遣い、そして(5)エンターテインメント力など、仕事に求められる高度なスキルを総動員しなければ成功できないともいえる。

チョコ1つに、女性社員の気苦労、いや、仕事の能力を測る指標が潜んでいると思えば、今年のバレンタインデーは別の楽しさで迎えられるかもしれない。

出典:
※プランタン銀座「2016年版 バレンタインデーに関する女性の意識調査結果」/2015年12月/公式メールマガジン女性会員約2万7千人を対象にオンラインアンケート/有効回答者は女性324名/平均年齢39.5歳(18歳~70歳)/独身52%、既婚48%、子供あり24%。https://www.printemps-ginza.co.jp/news/pdf/20160115_2.pdf
※マクロミル「バレンタイン実態調査2015」/2015年1月/全国の20~49歳の会社員/公務員の男女1000人に調査(男女500人ずつ) http://www.macromill.com/r_data/20150122valentine/

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