二重、三重にお金を生むシステムをつくる

そこを伸ばしていくわけですが、その際に重要なのは、そうした才能、得意分野を複数組み合わせるということです。もし、会計が得意で、誰とでも友達になれるという人であるなら、会計ソフトの営業マンとしてオンリーワンになれるのではないでしょうか。つまり、計数感覚と社交性を掛け算することで力を発揮できます。

私の場合も、文章を書くことが好き、人も大好きで、いろんな人に会って話を聞くことも得意です。それをまとめて本を出し、講演もしています。そんな小さな才能を掛け合わせて本田健ができました。だから、いまの場所で、好きなことをもっと勉強してみようということを続けていくと、おそらく10年たったら思いもしない境涯になっているに違いありません。

もちろん、10年といっても、1日、1週間、1年の積み上げです。1回の仕事をして「面白かった」で終わってしまったら、次につながりません。ビジネスで重要なのは、1つの仕事が二重、三重にお金を生み出すシステムになっているかどうかです。例として、作家であれば長期にわたって本が売れることで印税を何度も受け取れます。いまはサラリーマンだったとしても、その間に実力を養い続ける習慣をつけることが大切になります。

人生を長期戦で考えて、ゴールへの道筋が見えないと、1週間の時間管理さえできません。将来、英語を使って国際的に活躍すると決めていたら、1週間のうち英語力向上にどれだけ時間を使うかも決まってきます。そこを楽しく過ごせれば、毎月の行動も上向きのスパイラルに入るわけです。

その意味ではやはり、全体的な戦略がないと空回りしてしまいます。だから「この分野で生きていこう」と決めて、1日1日を充実させていくことです。そうした流れのなかで、ときには自分を見つめ直すための“人生の中休み”をつくりながら、自分のキャリアをどうするかを考えるといいでしょう。

作家 本田 健
神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て作家に。お金と幸せ、ライフワークについての講演、セミナーを開催。著書は、『ユダヤ人大富豪の教え』『大好きなことをしてお金持ちになる』など多数。
(構成=岡村繁雄)
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