株価2万3000円まであってもおかしくない
一方で強気の見方も少なくない。
大和証券グループ本社会長の鈴木茂晴氏は「今年も順調だ」と語る。
「株価でいえば正月から荒っぽい動きがありますが、これはお年玉だと思っていただいて、ここで買ったら利益が上がると思いっていただく。今年も順調だと思います。企業業績は非常に底堅い。我々も、今年の主要企業の経常増益は6.4%。昨年は11%強伸びたわけですけれども、為替の円安、原油安というメリットで5%押し上げたといわれていますので、去年と変わらないくらい底堅く、今期も最高利益をあげるだろうと思っていますので、株価も思っているよりも順調だと思います。今の業績の中でPERが16倍まで許せば、高値2万3000円まであってもおかしくないと思います」
経団連名誉会長でキヤノン会長兼社長兼最高経営責任者の御手洗冨士夫氏もまた、日米の景気については楽観的、「基本的に日米はよくなる」という。
「ただ欧州が心配です。新しい問題が起こっていますし、難民の問題もあります。日本と米国がよくなりつつあるから、そういう意味では去年よりはよくなると思います」
2014年4月に株式の再上場を達成し、株価を順調に伸ばしてきた西武ホールディングス社長の後藤高志氏も「着実に景気がよくなる」という。
「日本全体を見ると、実質経済成長率で1.5%程度とみています。したがってあまり景気が上向いたという実感はないけれども、着実に景気はよくなる。西武グループとしては飛躍の年にしたいと思っています。これをぜひ達成したいと思います。しかし一方ではリスクファクターも増えてくる。われわれはリスク管理をしっかりしなければいけないと思います」
2015年3~11月の連結営業利益が9期連続で増加を続けるローソン社長の玉塚元一氏も2016年には大きな期待を寄せている。
「いい流れになってくると思います。流通は民間の業績がいいので、それが世間でいわれているように若干賃金にまわり、夏のボーナスに回る。法人税の減税なども含めて、僕らも生産性向上に向けた投資をしていきますから、投資が活発化し景気に循環する流れになる雰囲気があると思うのですが、そうなるといいと思います」