「太く短く」生きた人に学ぶこと
私が作った享年の一覧表を見ると、結構若くして亡くなっている人が多い。
60代から70代半ばくらいまでにほとんどの人が亡くなっています。なかには親鸞=89歳、葛飾北斎=88歳のように満足な医療がない時代に長生きをしている人もいますが、たぶん超人的生命力を持っていたのでしょう。
多くの人が現在の平均寿命には遠く及ばない年齢で一生を終えている。限られた時間を全力で生きた、という感じです。そういう心境で表にある男たちの名前を見ると、「オレらはこのトシで死んでいるんだぜ」と言われているような気がして、いつ死んでもいいとまでは思いませんが、いたずらに生に執着したくないと思うようになりました。
松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅に出たのは45歳ですが、このとき、死を意識していたといいます。あれだけの長旅を徒歩でするのですから健康だったはずですが、昔の人は50歳を前にしたあたりで人生の締めくくりを考えたのでしょう。
命をコントロールすることはできません。
生きていたいと思っても、突然死を迎えることもありますし、長生きするつもりはなくても、ダラダラと生きながらえることもあります。でも、ある程度は自分の死にどき、人生の締めくくり方を考えておくのもいいのではないでしょうか。