四季報を読み込んで会社の変化を知る
おそらく、4つ目の立会外分売という専門用語以外は、誰でも1度ぐらいは見たり、聞いたりしたことがあるはずだ。だが、ここからビジネスマンが学ぶべきことは、イベント投資のノウハウではない。こうした手法を駆使して、ローリスクでコンスタントにリターンを確保していくJACKさんの戦略だ。まず、とにかく小まめに、多様な手段で可能な限りのネタを手に入れる情報武装力。次に、そのうえで個別の銘柄をチェックし、市況を読む分析力。最後に、リスクを果敢に取って決断する勇気である。
ただ、これら4つのなかで、再認識したのが『会社四季報』の読み方だ。さすがに、四季報は私の机の横にもある。企業取材や経営トップをインタビューする際、まず四季報のページを開く。わずか半ページながら、そこには当該会社の株価チャートをはじめ、特色や最近の動向が書かれた記事欄のほか株主構成、財務情報と業績が細かい字で載っている。JACKさんは、四季報を継続して読むことで、会社の変化を知るという基本の大切さを教えてくれている。
JACKさんの本を手にしたきっかけは、つい最近行った、彼へのインタビューである。そのときは、来年のリオデジャネイロと5年後の東京の五輪注目株を上げてもらったのだが、印象的だったのは、取材中もスマートフォンを手放さないことだ。指先をすばやく動かし、必要なキーワードを検索する姿に、本物のプロフェッショナルを感じた。