今、投資をするなら、どんなマネー商品がいいのか。売れっ子FPに、ずばり「ベスト5」を選んでもらった。その結果は?

まず重視すべきは利益より「リスク」

今どんなマネー商品を選ぶべきか。それを考えるには、市場環境を整理しておく必要がある。

今年1月に1万7000円前後だった日経平均株価は、6月に2万1000円近くまで上昇。しかし9月には中国の景気不安を受けて1万7000円を割り込むまで急落するなど、波乱の展開をみせた。また米国では年末にも利上げの可能性があり、実施されると景気、一時的には株価にも影響することが考えられる。ユーロもギリシャに続き、難民や独フォルクスワーゲンの不祥事などの問題が生じ、世界の景気は楽観視できない。当面、投資環境は不安定な要素が多いと考えるのが普通だろう。私自身も保有するリスク商品の多くを売却し、利益を確定させた。

ファイナンシャルリサーチ代表 深野康彦氏●1962年生まれ。独立系FP会社などを経て、2006年ファイナンシャルリサーチ設立。主な著書に『1万円から始めるETF投資』など。

このような状況を踏まえて注目のマネー商品を挙げてみたい。

まず1つ目は、「地銀ネット支店の定期預金1年もの」だ。

人口流出などによる顧客離れを抑えるため、インターネット上で営業する支店を開業して高金利の定期預金を打ち出す地方銀行が増えている。大手都市銀行(0.025%程度)の16倍にあたる0.4%の例もあり、100万円預ければ税引き後の利息は年3187円になる。元本保証なので、安全確実に運用したい人に向いている。

リスクを抑えながら投資したい人には、「東証REIT指数連動型ETF(上場投信)」。REITとは、不動産に投資し、賃料を収益とする投資信託の一種。東証REIT指数は国内REITの総合指数で、それと同じ投資成果をめざすのが、この商品である。株式市場に上場しており、株と同様にリアルタイムで売買できる。

値上がり益より配当金目的の投資に向き、株に比べて値動きが小さい。このところ、オフィスビルなどでは賃料の上昇もみられ、分配金の増額も期待できる。そうなるとREIT価格も上昇して高値掴みになる可能性もあるが、利回り(年間の配当金額÷投資額×100)が3%以上あれば投資価値ありとみていいだろう。

信金中央金庫の「信金中金優先出資証券」も、株式と同様の投資成果がありながら比較的値動きが安定している。3%前後の配当利回りが望め、相場が不安定なときにはとくに、高利回り商品として人気がある。