なぜ、富裕層になるまでは「みっともなく生きる」のか
「富裕層になるまでは言い訳はやめて、みっともなく生きる」
これが、年収1200万~3000万円の人が陥りがちな「高収入貧乏の谷」を渡るときに唱えなければならない念仏です。谷を渡る橋が細く足元がグラグラする板を渡しただけの不安定なものだとしたら、あなたなら限界まで荷物を捨てて軽くしようと思いませんか?
でないと、深い谷底に真っ逆さまに転げ落ちるでしょう。つまり、生活に必要最低限の費用以外はすべてそぎ落として、全可処分所得をまずは貯蓄に振り向け、「種銭」をつくる必要があります(ただし、貯蓄だけでは十分とはいえませんが)。要は無駄遣いしない。これができるかどうかです。実際はできない人も少なくありません。
必要最低限の費用以外はすべてそぎ落とした生活費にすることは、都落ちすることでもないし、恥ずかしいことでもない。ちょっとした勇気と周りにどう見られるかを恐れない心さえあれば可能なのです。
これが、富裕層への道なのです。
生活レベルを落とせない人は自ら転落する
ですが高収入貧乏の人はこれが、身を切るより痛い。消費のグレード(生活レベル)を落とすことが職業生命、名声、信用と消費が密接不可分の関係にあって片方をなくせば片方を失うという関係にあるのが特徴です。その点、高収入であることは決して貯蓄に対して有利とはいえないのです。
だからこそ、「高収入ではない人」、「本流から外れている人」に勝機がでてくるわけです。
では、この生活費を最低限にすることができないという問題をどう解決すればいいか?
これについては、実はアメリカで何度も研究が行われ、もう結果がでています。
問題は、単に倹約をして個々の消費を切り詰めるだけでは解決しません。
ひとつは、ボストン大学社会学教授のジュリエット.B.ショア教授がテレコムの社員(大企業で正規雇用者として働く中流階級および中流階級上層の人々)を対象にして行った調査の結果導き出された統計学の方程式です。
これによれば、貯蓄額に大きな影響を与えている要因は、僕らが当たり前に予測できる年齢、性別、扶養家族の人数、以外に2ポイントあります。
ひとつは教育レベル、もうひとつは「準拠集団(家族や地域、職場など)と比較した経済状態」です。