どう転んでも、銀行はしっかり儲かる!

1カ月間だけ金利が高いなら、その期間だけ預けようという人もいるかもしれませんね。けれども、しっかり計算してみると、それでは損になる可能性があります。

1ドル120円で、200万円を預けたとします。ドルになおすと1万6666ドル。これに1カ月間だけは15%の利息がつくので、利息額は税引きで165ドル99セント。仮に、為替が預けたと時とまったく同じだったとすれば、利息は日本円で1万9919円つくことになります。「200万円預けて2万円弱も利息がつくならいいじゃない」、などと思うかもしれません。

しかしここで忘れてはいけないのが、外貨預金を預ける時、すでに1万7000円ほどの手数料がレートに含まれていて、しかも出すときも、同じくらいの手数料を払わなくてはならないという事実。つまり、手数料だけで合計3万円以上を銀行に払うのです。もちろん、預け入れたときよりも為替が円安になっていれば、預けた人も儲かるかもしれませんが、少なくとも銀行は、為替が円高になろうか円安になろうが、関係なくしっかりと儲かるのです。

大手銀行だから、大手証券会社だから安心だという常識は、今は通用しない。大切なのは、自ら学び、自分の頭で考え、しっかり計算して損得を把握すること。その指針となる内容をしっかり記した私の新刊が『ちょい投資』なのです。

荻原博子(おぎわら・ひろこ)
1954年生まれ。経済ジャーナリスト。経済事務所勤務後、82年からフリーの経済ジャーナリストとして、新聞・経済誌などに連載。88年より、女性誌『Hanako』(マガジンハウス)の創刊と同時に同誌に女性向けの経済・マネー記事を連載。家計経済のパイオニアとして、難しい経済やお金の仕組みを生活に根ざしてわかりやすく解説。バブル崩壊直後から、地価の下落やデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛を提唱し続けている。『貯め込むな! お金は死ぬ前に使え。』(マガジンハウス)『荻原博子のどんと来い! 老後』(毎日新聞出版)『ちょい投資』(中央公論新社)など、著書多数。

 

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