すべては主力ブランドのために
年々、各社からの主力ブランドの派生商品は増え、昨年の消費増税後、さらに増した。増税前の駆け込み需要を想定すれば、増税後は需要減となる。消費者の嗜好の広がりに対応するためであることはもちろん、新商品を出すことで売り場の棚を取り、気に入ってもらえれば、主力ブランド自体もアピールできる。
同一商品を大量生産することで高い利益率を確保してきたアサヒは、長年派生商品を封印してきた。しかし、12年発売の「スーパードライ ドライブラック」に始まり、今年は三商品の派生商品を発売。派生商品が増えることで利益を圧迫しないのか。
アサヒビール小路明善社長はブランドを木に例えて説明する。
「『スーパードライ』という幹があって、派生商品はその枝葉です。枝葉に日が当たってたくさん光合成をすれば、そのぶん幹が太くなる。しっかりした幹があれば、また新しい枝葉を伸ばすことができるのです」
ゴールはあくまでも主力ブランドの成長にあるのだ。