いつまでも自分を必要としてほしい親のエゴ

同様に、「まったくダメな子ね」「どうしてあなたはそうなのかしら……」などと、子供の人格を否定する表現を頻繁に口にする母親は、無意識のうちに「あなたには私が必要なの」というメッセージを子供に刷り込んでいる。いつまでも自分を必要としてほしいという親としてのエゴが、子供を萎縮させ、自立を阻む。まったく無意識のうちに、子供が無力であることを願い、自分の力のおよぶ範囲から抜け出すのを阻止しようとしているのだ。その一つの手段として、教育虐待が行われているケースも多いのではないかと推測できる。

子供もそれに不適切な形で答える。無意識のうちに、いつまでも親がいないと何もできない子供を演じ続ける。

「子供は未熟。判断力が不足している。だから、親が決める」「将来のために、今多少辛くても、無理をさせるべき」「あなたのためを思って、私は今、鬼になっている」。親たちは、子を思うがゆえ、本気でそう思う。しかしそれが子供の心に数十年経っても消えない傷を残す。まるで呪いのように、いつまでも人生を支配する。

そうならないためには、親は、子供の人生を支えることだけに依存せず、自分の道を自分で選ぶような生き方を実践することだ。何事も人のせいにはしない、自由な人生を歩んでいなければいけない。そうすることで、「自分の道を自分で選ぶ生き方」の手本を示すことができる。それが親にできる最高の教育であると私は思う。

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