英語ができないと世界では活躍できない

【三宅】今ではカーリングは有名なスポーツとなりましたが、浦島さんはシニアのカーリング日本代表だそうですね。なぜカーリングを始めたのですか。

【浦島】僕は日本にカーリングが導入された最初からやっています。だから33年くらいになります。北海道とカナダのアルバータ州は姉妹州で、スポーツ交流をすることになりました。そこで北海道がカナダから元世界チャンピオンのカーリング選手を招聘して、カーリングのクリニックをやることに。そのとき、偶然、私が通訳をすることになったのです。カーリングのことは全然わかりませんでしたが、元世界チャンピオンと約1カ月間、北海道を回りました。そこで通訳をしながら、カーリングを勉強しました。

それでその年に帯広にカーリング協会をつくり、仲間を集めました。その仲間がもうシニアになっているんです。30年以上、カーリングをやっている人は日本にもそれほどいません。ですから、われわれはシニアでは日本チャンピオンなんです(笑)。

【三宅】カーリングの選手権で海外に遠征されると、海外のシニアとも交流されていて、浦島先生のフェースブックでも見ましたが、本当に楽しそうですね。

【浦島】いやあ、シニアが一番楽しいですよ。いわゆる現役の世界選手権はもうピリピリしています。シニアは50歳以上の選手がやっています。試合自体はすごく真剣にやっていますが、試合を離れるとみんな友達です。

【三宅】共通語は英語ですか。

【浦島】英語です。試合でも、ミーティングでの説明などもすべて英語です。それもすごいスピードで話します。もう非英語国民は無視ですね(笑)。

【三宅】英語ができないと試合で本来の力を発揮することができませんね。

【浦島】世界で活躍するトップアスリートは英語ができないとダメですね。ですから、一生懸命勉強しています。うちにもオリンピックのボブスレーやスケートの選手はシーズンオフのときに勉強にきています。

【三宅】浦島先生のお父様は有名な写真家で、今では浦島先生自身もカメラマンです。今や英語の先生なのか、写真家か、どちらが本業かわからないくらいの力の入れようです。

【浦島】おやじはもう道楽者だとずっと思っていました。好きなことばっかりやってどうしようもないなと。いまとなれば、立派なおやじです。よくぞ、あれだけの情熱を持って撮影してきたのだと思います。
私は「ハルニレの木」や十勝の風景を撮り続けていますが、写真をやり始めて、自分が住んでいる町というか地域の素晴らしさに気づかされました。だからその素晴らしさをゲストとして帯広にやってきた先生方に自分の言葉で伝えています。

【三宅】みんな帯広のファンになりますよね。

【浦島】帯広というのはすごくラッキーで、日帰りができないんです。空港から帯広市内まで30分以上かかりますから、車での移動が多くなります。そうなると僕と話をしなければならない。そのうち気心が知れてきます。北海道にはそういう地の利があります。

【三宅】生徒がジョイで勉強して、東京や日本各地で、あるいは世界で活躍されている人がたくさんいらっしゃる。その人たちが帯広に帰ってきて、ジョイを訪問する。浦島さんも懐かしい教え子に会える。

【浦島】結局この仕事をやっていて最高の喜びはそこです。自分たちのところで育っていった子どもたちが立派に成長し、遊びに顔を出してくれる。こんなうれしいことはありません。これからも地域に根ざした英語教育をやっていきたいと思います。

【三宅】本日はありがとうございました。

(岡村繁雄=構成 澁谷高晴=撮影)
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