もちろん、お受験を経てブランド大学まで“純粋培養”された世界で過ごすことには、メリットもある。
「いわゆる高額所得者のお子さんは、公立校に通うと、持ち物のレベルや話の内容が周囲と合わないなど、いじめに遭う可能性が高くなるものです。そのような事態を避けるため、ブランド校に通うのは身を守る手段として賢明です。しかしそこまで収入が高いわけではない場合、低年齢から、あえて受験に挑む必要はないでしょう」
とはいえ「子どもにはよい学歴を」と願うのは、一般的な親心であるはずだ。お受験を経ずして“よい大学”に入る方法はあるのだろうか。
「コストパフォーマンスを考えると、高2の夏から短期集中型で、志望校の受験科目に特化して勉強するのが最も効率的です。お受験という“長期の投資”にこだわることはありません。お受験のムダにまつわる象徴的な話があります。それは、小学・中学受験の『算数』についてです。算数も数学も『同じ科目』と認識している大人が多いのですが、実は似て非なるもの。特に大学受験に必要な数学には、算数より極度に抽象化された思考が求められます。『算数ができる子』が、『数学ができる子』になるとは限りません」
FPの山口氏は、費用対効果の高い教育投資として早期の英語教育を挙げる。
「大きくなってからヒアリングを鍛えることは非常に難しいので、子どもの頃から、英語の音楽やDVDなどで耳を慣れさせることが重要。大学受験でもヒアリングの配分が高くなりつつあり、高い費用対効果が見込めます」