相手の信頼を勝ち取る相づち、質問
話を上手に聞くことは、相手の意見を受け入れ、相手の存在を認める印象をあたえるもの。これにより相手がこちらに信頼感を持つようになり、今度はこちらの話に耳を傾けてくれるようになるだろう。ただ一方的にこちらの要件を突きつけるのではなく、まずは相手の話を聞き、相手と同調の雰囲気を生み出すこと。これが、話に説得力をもたせたいときに効果を生むのである。
相手が話しやすくなるように聞く作業には、たとえばこんな動作があげられる。
1. うなずく:相手に同意を示すことで、相手は話を進めやすくなる。
2. 相づちを打つ:相手の意見を受け入れ、話を促す。
3. 相手を見る:話を聞いている姿勢を示す。
4. 質問をする:真剣に理解する姿勢を示し、さらに話を掘り下げる。
5. メモを取る:相手の意見を真剣に受け止める姿勢を見せる。
まずはこうして、相手の話を身を乗り出して聞くこと。自分が何かを伝える時間は短くなるかもしれない。けれども、話を聞き同調する姿勢を示すことで相手は自分を肯定され、尊重された感覚になるだろう。つまり、相手は心理学でいう社会的報酬を得られることになる。人は自分にまつわる肯定に好感をもちやすく、結果として認めてくれた相手を受け入れやすくなるのが人の心理というわけだ。
さて、聞き上手に徹底した上でさらに踏み込むなら、わからない点を確認したり、「こういうことですね。なるほど」と話を要約したりするといい。話はさらに広がるし、真剣に話を聞く姿勢が示せるようになる。そして、相手の話の腰を折らずに、関連する内容やエピソードを提示することで、相手もさらに話を展開しやすくなるものだ。こうして自分が“聞こう”という意志を持つことは、相手を理解するための手段にもなるだろう。
ジュリアン氏は、「意識的に聴けば必ず理解を生みます」と語る。そして、意識的なリスニングのトレーニングとして、次の5つの方法を提示している。