同じ考え方から、体を動かす時間も意識して確保するようにしています。週3～4回、6時半ごろに起きて、家の周りを走っています。短い日は3キロ、長い日は7キロぐらい。心拍数を測りながら、1キロ7分ぐらいのゆっくりしたペースを保つようにしています。走ることは歯磨きのように、くせになっていますね。
いまは社用車の送迎がありますが、以前は会社から自宅まで走って帰ることもありました。リュックに荷物を入れて、会社から家まで13キロぐらいを走るんです。電車で帰ると、仕事のテンションが途切れないため、帰宅しても仕事のことを考えて寝られないことがある。これが走って帰ると、走っているうちに考えることが面倒になり、帰宅後は心地よい疲労ですぐに寝られる。うまく切り替えられるので、おすすめですよ。
山登りやバックカントリースキーなどのアウトドア活動が、高校のころからの趣味です。社長になってから頻度は減りましたが、いまでも夏と冬には山に登るようにしています。この夏は、富山県の立山から黒部渓谷を下るコースに初めて挑戦しました。友人と2人でしたが、3日間ですれ違ったのは6人ほど。東京では人と会ってばかりなので、新鮮な時間でしたね。携帯電話の電波も入らないため、「デジタルデトックス」にもなりました。
スマートフォンが手元にあると、空き時間に条件反射的にみてしまいますが、圏外の場所にいれば物理的に不可能です。意識して使えばとても便利ですが、流されるままだと時間を浪費してしまう。大胆に切り替えることが、時間の効率を高めるコツかもしれませんね。
時間管理3カ条
1. 組織に合わせず、自分で「ボールを持つ」
2. 部下との「1対1」を疎かにしない
3. 睡眠や運動でメリハリをつける
●宮坂社長のある1日
06：30 起床、ジョギング
08：00 自宅出発
08：30 出社
09：00 全社朝礼
10：00 自席で業務
12：00 ランチミーティング
13：00 取材対応
14：00 ワン・オン・ワン（1対1での会議）
14：30 カフェで休憩
14：45 社内会議
16：00 取引先と打ち合わせ
17：00 自席で業務
18：00 YJリンク（一般社員との対話会）
19：00 社内MTG
19：30 退社、会食
22：30 帰宅
23：00 就寝
1967年、山口県生まれ。91年同志社大学経済学部卒業。出版社勤務を経て、97年6月ヤフー入社。2002年メディア事業部長、09年執行役員コンシューマ事業統括本部長。12年4月よりヤフー最高経営責任者（CEO）、6月より代表取締役社長。13年6月より親会社であるソフトバンク取締役も務める。