現在、多くの管理職が部下との対話に苦労している。部下と良好な関係を築くためには、どのような心がけや行動、そして言葉が有効なのだろうか? 部下のタイプ別に、取るべき具体策を専門家に聞いた。
田の字型に机が並び、互いの顔がすぐ目の前にあって、仕事内容はもちろん、何を考えているかもすぐわかる。そんなオフィスもいまは昔で、目の前のパーテーションが仲間の顔を遮っている。何ごともメールで行うから会話もない。電話も鳴らない。パソコンに向かっていれば仕事が済む時代になったが、あまりに会話がないと、上司としては心配になる。
「そんな部下に接するには、発想の転換が必要」と本間正人氏は説く。「上司からすると、わけのわからない奴かもしれませんが、部下からすれば、上司こそ、いままで付き合ったことのない“宇宙人”なのかもしれない。学校では先生の話を一方的に聞くだけ、家に帰れば少子化で兄弟はいない。父親も不在がちで、せいぜい母親としか会話をしてこなかった若者が増えています。彼らは会社でのコミュニケーションを拒絶しているのではなく、どうやって上司や同僚と付き合えばいいのかがわからない。飲みに連れていけばいい、と昔は乱暴なこともいえたのですが、そもそも年上の人と飲みにいった経験がないのですから、それだけではコミュニケーション下手は直りません」。
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(飯田安国=撮影)

