「何を考えているのかわからない」と相手に思わせてしまうのは2つの原因が考えられる。一つは会話が少なく、相手のことがよくわからない場合である。

齋藤淳子氏がコーチングを受け持った人の中に、ある会社の工場長がいた。その人の悩みは「部下が挨拶もしてくれない。言葉をかけても反応が鈍く、何を考えているかわからない」ということだった。

ある朝、齋藤氏は件の工場を訪ね、工場長が来るまで応接室で待っていた。ドアが開いていたので、出勤してくる社員の様子が丸見えだった。「おはようの挨拶もない暗い職場なのか」と見ていたら様子が違う。みんな元気におはようをいい合っているではないか。そこで齋藤氏は気づいた。「工場長も挨拶をしているのですが、いかめしい顔つきのまま、怒ったように、おはようといっていたんです。それでは誰も元気よく挨拶を返してはくれません。相手の目を見て挨拶する。帰るときには部下にもお疲れさまという。仕事をきちんとやってくれたときにありがとうと感謝の気持ちを伝える。コミュニケーションの原則をきちっとやることをアドバイスしました」。それから、工場長と部下との間で会話の量が増え、彼の悩みも解消したという。

(飯田安国=撮影)
【関連記事】
コミュニケーションをとろうとしない部下にどう接するか
なぜ自由を与えると、部下のストレスはたまるのか
見違えるように働き出す叱り方の極意
無気力部下を磨き上げる「経験学習モデル」