以上のような努力や工夫をしても、当選するのは20~30銘柄に1銘柄くらい。厳しい抽選を突破すると、つい喜びいさんで購入したくなるところだが、ここで慌てるのは厳禁。当選したのはその新規公開株が不人気で倍率が低かったからという可能性もあり、初値が公募割れするリスクも高い。当選しても購入しないという選択肢があることを忘れてはならない。

冷静に判断する自信のない人は、申し込みの前に銘柄を厳選すべきだ。新規公開企業に関する情報は、東京IPO(http://www.tokyoipo.com/)などのサイトで入手できるので参考にするといい。

最後に、新規公開株でもっとも注意したいのは、売るタイミング。私は原則、初値で売ることを自分に課している。初値をつけた後に値が下がる銘柄が多いからだ。このルールは、初値が公募価格を下回った場合でも同じ。素早い損切りが身のためと考えている。

初値で売り抜くには、初値がついた瞬間に売り注文を出すのが鉄則。初値をつけた直後は値動きが激しく、ほんの数分遅れただけで万単位の損失が出ることもあるからだ。そのため、初値がつきそうな日は机の前から動かないくらいの覚悟で臨んでいる。

(村上 敬=構成)
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