「費目名」に隠された浪費の罠

小遣い、交際費、被服費、日用雑費、娯楽費、習い事、その他、とくくられる費目は要注意です。ごく普通の費目名に思えますが、罠が仕掛けられています。

例えば、誰か他の人と一緒のレジャーは「交際費」、家族だけで楽しむ場合は「娯楽費」と分けて認識したいとしましょう。それぞれの数字を把握したいのであれば、もちろん分けること自体は悪くありません。しかし、細かく分けたところで、家計改善上ではあまり意味はありません(*)

支出額が小さく見えて気に留められないくらいであれば、むしろ分けない方がいいといえます。「余暇のお金」としてひとくくりにした方が、まとまった金額を使っていることが見えやすくなります。

落とし穴【3】人生の「使い時」である

「お金が貯まらない」と相談に来られる人は、毎月赤字であることを心配しています。ところが、長い人生を俯瞰してみると、なかなかお金が貯まりにくい「使い時」ともいえる時期があるのは珍しくありません。その大きな要因は教育費です。

子供が高校、大学生になる頃は、一般に教育費のピークを迎えます。世帯主の年齢でいうと40代後半から50代にかけてという方が多いです。

この時期は、ある意味貯蓄がなかなかできなくても仕方がないものです。もちろんすべての家計で赤字続きではありませんが、少なくとも貯蓄ペースは鈍化するものです。

この場合、「贅沢しているつもりはないのにお金が貯まらない」のは本当にそうで、お金が貯まらない原因は教育費にあります。このために貯めてきた貯蓄ですから、取り崩すことも決して家計に問題があるわけではありません。

教育費にメドがついて子供が経済的に独立すると、リタイアまでの期間をかけて貯蓄形成が再びできるようになります。人生最後の「貯め時」を迎えるわけです。

こうした相談では、私から特段何かアドバイスするというよりも、時間軸をもって家計を捉えるだけで、相談者はとても安心するようです。月の収支で一喜一憂する必要はないのです。

さて、3つの落とし穴をご紹介しましたが、私の経験上、多くの方は【1】と【2】の複合パターンで、【3】のケースは少ないです。

もし、あなたが「贅沢しているつもりもないのにお金が貯まらない」と思うとしたら、【1】や【2】のパターンに陥っていないか、家計を振り返ってみてはいかがでしょうか。

*家計改善では、「何」に使ったかよりも、「なぜ」買ったのかの方が大事だから。詳しくは、「なぜお金に好かれる人は『家計簿をつけない』か」を参照ください(http://president.jp/articles/-/13390

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