使えるデータを探すコツは、「これが欲しい」とピンポイントで絞りすぎないことでしょうか。今はセンサーの計測コストが下がっています。従来なら計測の対象にならなかった意外なものがデータ化されていますから、先入観を持ったままでは有用なデータと出合いにくい。どのような課題を解決したいのかという問題意識を強く持ってアンテナを張っていれば、ふとした瞬間に有用なデータと出合える確率が高まるはずです。

解析した結果を資料で表現するときには、なるべくグラフを用いることをおすすめします。データを使うときにすぐ「平均」を語りたがる人が多いのですが、実際は分布が二極化していて平均値を取り上げても無意味なケースもあります。統計的には、平均値、最頻値、中央値はそれぞれ意味が異なります。混同を避けるためにも、グラフで見せたほうがいいのです。

ただし、ビジュアルだけでなく、文章で補足することも忘れてはいけません。資料は自分の手を離れて一人歩きすることがあります。

そうなると口頭で説明できないので、数字が指し示す意味について、きちんと資料に盛り込んでおく必要があります。文章化すると、説明するほうも資料を読むほうもごまかしがきかなくなります。分析同様、資料作りにもしっかりと時間をかけてください。